「銀の矢」

　十九、終焉

　門にかけられている封印は、黒い剣の一閃によって破壊された。岩と見せかけていた幻術の力が消え失せ、美しい光を放つ二柱の水晶が現れる。その門の間に見える光景は、山頂の荒涼たる景色ではなく、きらびやかな神殿の立ち並ぶ荘厳たるものであった。
　男は黒い剣を携えたまま門を通り抜け、ゼウスの神域へ侵入した。
　行く手を阻む者は誰もなかった。それどころか人影一つ見当たらない。まるで、この聖域そのものが既に見捨てられてしまったかのようである。
　人の気配はない。辺りは、時が止まっているかのように、しんと静まり返っている。
　男は、辺りに立ち並んでいる神殿には見向きもせず、真っ直ぐ高見にある大神殿に向かって歩いた。虹色の輝線を絶え間なく振りまいている神殿の群れを抜け、幾つもの階段を登り、ゆっくりとした足どりで進む。
　奥に進むにつれ、黒い剣からねっとりした霊気が漂い出し、めらめらと燃える炎のように踊り始めた。敵の居所をはっきりと感じとっているらしく、進み方に少しの迷いもない。
　最後の階段を登り切ると、そこはゼウスの神殿の前の大広場だった。広場には白い大理石が敷きつめられ、その中央には水晶で囲まれた清らかな泉が小さな池を作っていた。池の中心にはゼウスを始めとする十二神が浮き彫られた金剛の巨石が鎮座していた。
　男の邪眼が、泉の傍らの一点に止まった。そこに、黄金の杖を手にした大柄な老人が立ち、威厳のある鋭い眼をして、男を見返している。オリュンポス神族の王ゼウスである。
　男の剣に巻く闇が一層どす黒くなり、激しく踊った。
　彼は、ゼウスの十歩ほど手前で立ち止まると、しわがれた低い声で言った。
「ゼウス、貴様も老いたものよな。戦さは女子供に任せて、のうのうとこんな所に引き籠もっているとはな」
「アルテミスやアテナは、どうした？」
「貴様の娘にしては、よくやったものだ」
「ふっふっふ。それは、おまえのなりを見れば分かる」と、神々の王は笑った。「ここに来るまで、相当てこずったようだな」
　黒甲冑の男は顔を憎悪に歪めた。かぶっていた兜は既になく、額を割られて、顔面が血に染まっている。鎧も肩当が飛ばされ、至るところ大小の傷が走っている。それが激戦の跡であった。
「わしを倒して、どうするつもりか？この世を再び己がものとしたいのか」
「貴様もろともオリュンポスを消し飛ばしてやるのさ」
「ほう、できるかな」
「ふん」
　男の剣が一閃した。衝撃波がゼウスと泉を切り裂いた。泉の縁石が粉々になって吹き飛ぶ。
　ゼウスは青白い光の幕に囲まれ、何事もなく立っていた。そこから細かい火花が散っている。右手から電光が膨らみ、ばちばちっと音を立てて、稲妻の形をした槍を形成した。一定の形をとどめていないが、荒々しい光と力を秘めた槍である。
　ゼウスの手から、稲妻が放たれ、黒い影を貫いた。
　轟音が辺りを揺るがした。
　男は剣を構えたまま立っていた。その剣に細かい糸のような火花がまとわりつき、やがて吸い込まれて消えた。
　ゼウスの顔が険しくなった。その周囲に、ばりばりっと小さな放電が幾つも走る。同時に、身体全体が青白い光を帯び始め、球型に膨れ上がった。そこからは稲妻が蛇の舌のように踊っていた。
　男はにやりと笑った。笑みはすぐに消え、憎悪と殺気に歪んだ顔となる。その姿がふっと消えた。闇の疾風が、ゼウスを目がけた。
　ゼウスは、全身を稲妻に変え、疾風を迎え撃った。その身体を中心として、荒々しい雷電が急激に膨らんだ。
　目も眩むような閃光が起こった。灼熱の火球が轟音と爆風とともに広がる。火球は、敷石や神殿の柱や屋根を焼き、粉々に砕いた。一瞬後にやって来た爆風が、それらを砂塵と一緒に吹き飛ばした。
　泉の水が瞬間的に蒸発した。
　その破壊の中心で、二つの巨大な力が戦っていた。黒い妖気と青白い雷電が荒れ狂い、衝撃波と稲妻を飛散させる。ぶつかり合う暴風は竜巻と化し、猛威をふるった。
　その戦いを肉眼で追うことは不可能だった。
　百雷を一時に集めたような爆発音が、絶え間なく続いた。
　突然、竜巻が分かれ、そこから二つの人影が飛び出し、左右に散った。そこに、穴が深くえぐられている。その穴をはさんで、ゼウスは黒甲冑の男と対峙していた。
　ゼウスの肩が苦しそうに上下している。相当の力を消耗したらしく、頬がげっそりと落ち、眼にも疲労の色が浮かんでいる。全身から熱気が立ち昇り、空気を揺らめかせていた。
　ゼウスは左肩をおさえていた。白い衣に赤いしみが見る見る広がっていく。流れ出した血が腕を伝い、指先から地面にしたたっている。
　相手の男がほくそ笑んだように見えた。

「…ポイベ様、ポイベ様！」
　幾つもの悲痛な声が、アルテミスの名を呼び、誰かの手が懸命に彼女の身体を揺さぶっていた。深い眠りに埋没していたアルテミスは、急速に目覚め、意識を取り戻した。
　眼を開けると、心配そうな顔が並び、女神を見つめていた。それらの顔に安堵の色が浮かんだ。どれも見慣れた顔である。狩りをする時、野山を一緒に駆け回る者たちである。
　記憶が蘇った。アルテミスは、表情を強張らせると、素早くはね起き、アテナを探した。
　アテナはすぐ隣りに寝かされていた。その肌の色は、ぞっとするほど白く、血の気がなかった。甲冑は既に脱がされ、右腕に添え木が当てられている。
　アルテミスは傍らの従者に目で問いを発した。
「生きておいでです」と、従者が小声で答えた。「じきに御心がお戻りになるでしょう」
　その時である。凄さまじい爆発音が轟き、山頂を揺るがせた。
　水晶門の方に眼を向けると、ぽっかりと開いた聖域の奥で、激しい閃光が走り、凶暴な竜巻が荒れ狂っていた。ゼウスが敵と戦っているのだ。
　大きな唸りとともに、水晶門から爆風が吹き出して来た。砂塵が舞い、小石が飛ぶ。髪の毛が激しく吹き流される。眼を開けて居られない。
　爆風がおさまるとすぐに、アルテミスは立ち上がり走り出した。水晶門を抜け、聖域の神殿群を駆け過ぎる。
　アルテミスには、何か深い考えがあるわけではなかった。ただ、聖域の奥での戦いを感じた時、居ても立っても居られなくなったのである。現に、今は殆ど丸腰である。銀の弓はないし、腰に下げた短剣も気休めでしかない。
　にもかかわらず、アルテミスには躊躇がなかった。まるで、見えない力に駆り立てられているかのように、彼女は真っ直ぐ奥を目指して疾走した。
　ある種の直感が、アルテミスを狩り立てていた。それは、予感といっても良いのかもしれない。とにかく、彼女は上に行く必要があった。上に行けば、必ず何かが起こるであろうことがわかっていたからである。
　その兆しは既に起こっていた。アルテミスたちが止めも刺さずに放置されていたという事実である。これには理由があるに違いない。
　アルテミスの眼に、小さな希望の灯がともっていた。

　広場は瓦礫の山と化していた。ゼウスの大神殿は、広場に面した入口や回廊などが崩れ、屋根も半ばが吹き飛んでいた。電撃と爆風にさらされた大理石の柱や壁面は、熱を浴びて灰色に変色し、細かい亀裂が走っていた。それでも、全体が大きいだけに破壊は中にまで及んでいなかった。王の間などは殆ど被害を受けていない。
　広場のすぐ下方に立ち並んでいる神殿群の破壊は、余りひどくはなかった。広場の高さに屋根があるためか、屋根の一部が破損した程度である。
　ゼウスは、相手の男を眼の隅に捉えながら、下層の神殿に眼を走らせた。
　男が動いた。その姿が消え、ゆらゆらとした熱気の立ち昇る大きな穴の上を、影が飛んだ。
　ゼウスは、大きく飛び退りながら、稲妻を放った。稲妻が無数の火花となって周囲に降り注ぐ。熱い爆風が吹き荒れ、砂埃がもうもうと舞い上がった。
　ゼウスは、くるりと背を向け、広場から駆け降りた。
　男がその後を追う。ゼウスの姿が近くの神殿に消えると、その影も飛び込んだ。
　その神殿から数本の太い雷が屋根や壁を貫いて散った。神殿を支えていた石材は一瞬のうちに砕かれ、崩壊した。石と石の破砕音がもうもうと上がる煙の中から聞こえてくる。既に神殿の形はない。
　さらに天から雷が絶え間なく降り注ぎ瓦礫の山を叩いた。雷鳴が辺りを震撼させる。雷の爆撃は徹底的に行われ、それが終わった時には、そこに神殿が存在していた痕跡さえなかった。
　辺りがしんと静まり返った。土埃もおさまり視界が晴れ渡った。
　隣りの神殿から、ゼウスが姿を現した。その呼吸がひどく乱れている。額には玉の汗が浮かび、顔色も土気色に変わっている。頬もこけ、眼の輝きにも疲労の色が表れている。
　ゼウスの用心深い視線が、気配を窺った。ごくりと唾を呑み込む。
　かすかに小石の音がした。視線を向けると一個の小石が、宙に浮き上がっている。やがて、その近くの石が次々と浮き上がり始める。一抱えもある大きな石までもである。
　その中心に黒甲冑の男が現れた。その影を守るようにして石の群れが妖しく漂っている。
　ゼウスがとっさに球電の防壁を張った。
　石の雲は一瞬にしてゼウス目がけて殺到した。
　球電の壁に激突した礫が蒸発するか、粉々に砕かれ、煙の幕を作った。幕は急激に拡散し、熱を帯びた濃霧となった。
　やがて、その霧がおさまると、ゼウスの姿が再び消えていた。

　ゼウスは疲弊した身体を半壊している神殿の瓦礫に横たえた。既に力を使い果たしてしまったので、再び回復するまで、休息する必要があった。
　空気が静まり、土煙がおさまった。
　黒い剣を持った男は、辺りに浸透力のある邪眼をめぐらせた。
　突然、男が後方を振り返った。何か物音がしたようだ。その視線の先に、物陰から飛び出して走り去る人影があった。
　ゼウスは我が眼を疑った。それは自分自身だったのだ。自分自身の姿が瓦礫を駆け抜け、大理石の階段を鹿のような速さで昇っている。
　男が、ゼウスの姿をした者を追った。
　ゼウスは二つの影を見送ってから気づいた。あの自分の影は、誰かが化身した姿に違いなかった。化身だとすれば…。
「…アルテミスか」と、灰色の髭から呟きが漏れた。

　アルテミス女神は、瓦礫が降り積もった石段を一気に駆け上がり、荒れ果てたゼウスの神殿の前に出た。ちらと背後を振り返ると、黒い影が疾風となって追いかけてくるのが見える。ゼウスに化身したのは成功だったようだ。
　彼女の取った手段は、本能的なものだった。彼女自身でさえ、何故父親の姿に化身したのかよく覚えていない。ゼウスの命が危ういと感じた時、知らず知らずのうちにその姿に化身し、相手の注意を惹きつける行動を取っていたのだ。
　アルテミスは足を早めた。破壊により変わり果てた広場を駆け抜け、半壊した王の神殿に飛び込んだ。崩れた入口をくぐり、行く手を阻む石材の山を乗り越える。亀裂の走っている回廊を過ぎ去り、奥へ奥へと侵入する。それにつれて破壊の跡が目立たなくなった。
　紫色の瑪瑙の扉が目の前に現れた。王の間の入口である。
　アルテミス女神は扉を開いた。背後の黄金の回廊から追いかけてくる足音が、冷たく響いてくる。近い。彼女は中に入り、扉を閉めた。
　部屋の中はがらんとしていた。壁や天井は虹色の石材で作られ、穏やかな光を放っていたが、目につく調度と言えば奥にある水晶の玉座だけである。
　そこで、入口の方に向き直る。右手を腰の短剣にかけ、じっと瑪瑙の扉を見つめた。不思議と心は落ち着いていた。ここで何をなすべきかが、わかりかけて来たからである。

　びゅっ！鋭い音とともに、扉が切断されて崩れ落ちた。
　焼けただれた甲冑に身を包んだ男が、ゆっくりと浸入し、アルテミスに氷のような凶眼を向けた。剣からは、炎のような妖気が立ち昇っている。
「もう逃げられんぞ」と、しわがれた声が響いた。
　アルテミスは、神々の王になり切ってその視線をはね返した。
　男がゆっくりと近づいてくる。
「お遊びはこれまでだ。そろそろ決着をつけるとしよう」
　男の傍らに、直径一メートルほどの黒い珠が出現し、鬼火を踊らせながら宙に浮いていた。男の妖気が数倍に膨れ上がった。
「この山もろとも、貴様を消し飛ばして…」と言いかけて、男の表情に驚きの色が浮かんだ。「貴様、ゼウスではないな」
　アルテミスは、その瞬間、短剣を抜きざま斬りかかった。
「覚悟っ！」
　まだ化身を解いていないのでゼウスの姿のままである。男も突っ込んでくる。
　二人の動きがぴたりと止まった。
　ゼウスの姿が蜃気楼となり、おぼろのように破れて、銀の女神に変わった。彼女の短剣は空を斬っていた。男が内懐に飛び込むのが、一瞬早かったのだ。女神の白い指から力が抜け、短剣がすべり落ちた。金属音とともに床ではね返った。
　男は理解しがたいという表情で女神を見つめた。黒い剣は女神のみぞおちに深々と埋まり、剣先が背中に突き出ている。
「き、貴様…」
　アルテミスは蒼白な顔に笑みを浮かべると、自身を貫いている剣を両手でしっかりと押さえつけた。紅い唇から血が糸を引いて流れ、したたり落ちる。
「な、何をするつもりだ？」
　男がうろたえて言うと、女神は静かに答えた。
「…おまえの力を封じます」
　同時に、低い音律が唇から漏れ出し、女神を包み込んだ。その音律に共鳴するようにして、ほっそりした身体が小刻みに震え出し、銀色に燃える炎のような霊気を立ち昇らせた。
　声が高ぶり、女神の全身が不思議な光に包まれた。銀砂のような星屑が散る。
「…や、やめろっ！」
　男が苦し気に絶叫した。顔がひきつり、眼が飛び出さんばかりである。必死になって剣を抜こうとしているが、剣はアルテミスの体内に根を生やしているかのように動かなかった。
　女神の詠唱が続けられる。
　男の身体から黒い霊気が流れ出し、アルテミスをすっぽりと覆った。まるで生き物のように不気味にうねりながら、次第に収縮しようとしている。
　アルテミスの声が高みに達した。
　まばゆい光が溢れ出し、女神を覆った黒い霊気が吹き飛ばされた。まるで、その中心に銀の太陽が現れたかのようである。一瞬辺りが真っ白になった。
　輝きは急激に衰えた。美しい詠唱もぴたりと止み、再びしんと静まり返る。明るさも通常に戻った。
　男は石像のように立ち尽くしたまま動かなかった。
　アルテミスの身体からすうっとと力が抜け、萎え崩れるようにして床に倒れて行く。銀の髪がさらさらと舞った。
　黒い剣が赤く染まりながら、静かに抜けて行く。その血は、たちまち銀色に変色し、剣を穏やかな輝きの中に閉じ込めた。
　女神が倒れ伏した。
　男の手に残った銀色の剣が揺れ、やがて硬直した指から離れて床に落ちた。冷たい音が響き渡り、剣が床を滑った。
　アルテミス女神の白い衣に赤いしみが広がっている。傷口から溢れてくる鮮血は床にも流れ出し、赤い血溜まりを作り始めていた。
　男の眼に、温かい色がよみがえった。黒い睫毛が震え、眼が大きく見開かれる。正気に返った眼である。殺意と憎悪に満ちた闇の色は消え失せ、深い悲しみに取って替わった。透明な涙が溢れ出し、頬を伝った。
　李凱永は、放心状態となり、がくんと膝をついた。
「リュカイオン…」と弱々しい声が彼の名を呼んだ。男がはっとして見ると、女神の眼が薄く開き、彼を見つめていた。
「…け、剣…その…剣であの珠を貫く…のです…」（註十九Ａ）と、女神が必死に哀願した。「は、早く。…封印は…長く保ちま…せん」
　せっぱ詰まった眼で彼を見つめる。
　李凱永の眼に、決意の炎が燃え上がった。
　剣は、銀色の封印に覆われたまま、床に落ちていた。
　ぴしぴしっと鋭い音とともに、銀の皮膜に亀裂が走った。亀裂の数が増え、黒い妖気がと立ち昇り始めた。封印が破られ始めているのだ。
　李凱永の身体が飛び、素早く剣を拾い上げる。そのまま疾風と化し、鬼火の踊る珠を目がけて走る。剣が黒く燃え始めた。
　李凱永の足がぴたりと止まった。珠まであと二、三歩の距離である。
　李凱永の顔が苦痛に歪んだ。剣の呪力が再び彼を支配しようと、邪悪な意志を浸入させて来たのである。こめかみの血管が太く浮き上がり、ぶるぶると痙攣する。顔が燃えるように上気し、歯が強くくいしばられる。李凱永の意志が必死に抵抗した。
　彼の眼に怒りの炎が一層激しく燃え上がった。咽喉の奥から獣のような唸りが絞り出される。震える手が、のろのろと剣を持ち上げて、珠に向ける。
　雷鳴のような気合が轟き、彼の身体がふっと消えた。
　彼は黒い剣とともに、燃える珠に突っ込んだ。ずぶりという手ごたえとともに。剣が深々と埋まり、珠の中心を貫いた。

　黒い剣と珠から激しい炎が噴き上がった。白熱の閃光がほとばしり出る。その光は明滅を繰り返しながら、次第に激しさを増大させた。炎の大きさが急速に膨れ上がった。
　その瞬間、アルテミス女神は力を振り絞って李凱永の前に飛び出した。
　大爆発（註十九Ｂ）が起こった。ゼウスの大神殿が跡形もなく蒸発し、オリュンポス山に巨大な火柱が上がった。

-------------------作者註---------------------
註十九Ａ：珠の中心を貫く
この珠は呪力の増幅器になります。その増大は、ほぼ珠の中心から増幅対象の呪力までの距離に依存します。その距離が０だと暴走が起き、最後の大爆発のようになるわけです。アルテミス女神は、この秘密をプロメテウスから託された珠を観察し実験することによって、見出したのでありましょう。

註十九Ｂ：大爆発
この爆発は大神殿の床近くで起きたため、熱は神殿にほぼ吸収され、爆風による破壊だけが神域を荒廃させたのであります。しかも、ゼウス神殿は頂点近くにあったため、その破壊も限られたものになったのでした。もちろん、ゼウスは生きているはずです。